羽田空港公式 フォトコンテスト2024
第5回(2024年)
《写真のテーマ》
羽田空港の魅力的な風景
羽田空港公式フォトコンテスト2024にたくさんのご応募、ありがとうございました!
今回も皆さまから、1,000点を超える応募をいただきました。
素晴らしい作品の数々を通して、羽田空港の魅力を多くの方々と共有させていただければと思います。
最優秀賞 1名
カメラ:Nikon D4S
レンズ:NIKKOR AF-S 24-120mm F4G ED VR
設定:f/4 1/320秒 ISO 2000 WB:オート
補正:Nikon NX studio,Capture NX2で現像、補正処理
評価
ルーク・オザワ
撮れそうで撮れない南風でのB滑走路(RWY22)からの離陸。南風は18時には終わってしまうので夏場の南風運用の多い時にはこの空は暗くならない、でも冬場の南風であればこのチャンスがあるということを作者は知っていますね。光が沈んだ後に空が暗くなる前の薄暮の時間帯に国際線中距離のシンガポール行きのエアバスA350が屋根にギリギリ上がってきたタイミングで看板の文字も全部入れて狙ったのはさすがベテラン。機体に光るアンコリ(アンコリジョンライト)の赤も効いています。
チャーリィ古庄
撮れそうで撮れない一枚!無駄のない構図。空港のフォトコンテストにふさわしい作品でしょう。第3ターミナルでの撮影ですが、B滑走路南風運用でシンガポール航空のエアバスA350だからこそ、この位置に機体が来ています。しかも衝突防止灯の赤が効いています!薄暮の時間帯ですが、レアな冬の南風運用なのでこの絵が撮れていますが、夏なら南風運用になっても薄暮になりません。そんな全てのタイミングが合った奇跡の一枚でしょう。
優秀賞 2名
カメラ:Canon EOS R3
レンズ:Canon RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
設定:f/5.6 1/2000秒 ISO 2000 WB:オート
補正:Lightroomにて明るさ調整
評価
ルーク・オザワ
通称“海羽田”ですね。望遠の圧縮効果によって羽田空港と富士山がこんなに近く撮れるというのが表現されている作品です。そのなかでエアバスA350を捉えていますが、ボーイング787などの他の機体だと滑走路のこの位置からは上がらない事を周知の上で狙ったかと思います。そして理想的なこの絶妙な位置で離陸したことで、富士山に被らずに捉えたのは素晴らしいです。夜明けのイメージでマゼンタ系の空も印象的に表現できているのも好いですね。
チャーリィ古庄
船をこの位置にもってきたのが素晴らしく、エアバスA350がちょうど良い位置でテイクオフ。しかも日の出の赤い色味で美しく現像されていて現場の空気感や音、風の強さなどが写真から伝わる一枚となっています。富士山の冠雪の感じも良いですね。羽田の船は行けば撮れるわけではなく、富士山が出るか出ないか、天候と風向きはなど私も例年行っていますが、当たりはずれが大きく、朝一でD滑走路の離陸ではなくC滑走路の離陸を狙ったのもポイントでしょう。
カメラ:Nikon Z30
レンズ:NIKKOR 2 DX 50-250mm f4.5-6.3 VR
設定:f/6.3 1/4秒 ISO 1250 WB:オート
補正:DxO Pure RAWでノイズ処理。Lightroomで露光量、ハイライト、シャドウ、色温度を調整
評価
ルーク・オザワ
いわゆる羽田空港での流し撮り。毎回たくさんの応募がありますが、その中でも目を引いたのが地上の明かりの流れ方が非常に長いこの一枚。シャッター速度が4分の1。この数字はなかなか僕らでも撮りづらい速度です。そんななか、前から後ろまでをピタリと止めたこの技は素晴らしいと思います。立ち位置も良く、地上の灯りが一番多いところを狙っているのもさすがです。
チャーリィ古庄
16歳で1/4秒で流し撮りを決める。私も学生時代から羽田空港に通っていますが、考えられないことです。プロカメラマンでも成功率を考えると1/4のシャッター速度は躊躇してしまいますが、作者のコメントに「寒くて手が震えて止めるのが難しかった」とありますが、そのとおりでしょう。第3ターミナルからの撮影ですが、照明灯や駐機している機体があるので、なかなか難しい中、それらを避けてしっかり止めて素晴らしい一枚に仕上がっています。
特別賞 3名
カメラ:Canon EOS 90D
レンズ:SIGMA 60-600mm f4.5-6.3
設定:f/5 1/6400秒 ISO 100 WB:3700K
補正:Lightroomで露出、コントラスト、シャドウを調整
評価
ルーク・オザワ
夏場に多い南風の都心アプローチですが、昨年秋から冬は結構南風が多かったですね。そのタイミングを逃さずに東京ゲートブリッジまで行った狙いは素晴らしいです。冬場だからこそこの橋の間に沈む夕陽とパラレル飛行で降りてくる2機を同時に捉え、太陽の位置も含めバランス的にも好いですね。
チャーリィ古庄
ゲートブリッジの中央に夕陽が沈むタイミング。そんなときに羽田空港のランウェイ16に向けて2機の機体がアプローチ。手前の機体は大きめでしっかり主張も伝わります。シャッターを押すタイミング、露出、色温度も完璧でしょう。
カメラ:SONY α1
レンズ:SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
設定: f/5.6 1/800秒 ISO 100 WB:6000kv
補正:Lightroomで露光量やコントラスト、ノイズを調整
評価
ルーク・オザワ
これは狙いましたね。動いているモノレールにさらに奥にいるヒコーキが絶妙なタイミングで離陸機が2機重なっていて、素晴らしいタイミングだと思います。この瞬間を逃さずにどれだけ粘ってここで撮っていたのかが感じられる一枚です。
チャーリィ古庄
撮れそうで撮れない一枚です。モノレールのフル編成、同時離陸はあってもこんな並びになるチャンスは少なく奥にエアバスA330、手前にボーイング737というバランスの良さ、空の青さ、何度もトライしてモノにした一枚だと言う事が伝わります。
カメラCanon EOS R5
レンズ:Canon RF 100-500mm F4.5-7.1L IS USM
設定: f/7.1 1/1000秒 ISO 100 WB:オート
補正:Photoshopで彩度、明瞭度等を調整
評価
ルーク・オザワ
第3ターミナルの風景。よくここまで全てアメリカ系のヒコーキが揃ったと思います。そして手前からスターアライアンス塗装機が2機並び、隣にデルタ航空が2機。なかなかこんなチャンスはない。良いタイミングで捉えたと思います。
チャーリィ古庄
訪れる時間や日によりエアラインの並びが異なるため楽しくなる第3ターミナル西側駐機場ですが、アメリカの空港かと思うくらい米系エアラインが並んでいるのがポイントでしょう。空もキレイで芝生の緑も季節感を感じさせます。
ルーク・オザワ賞 1名
カメラ:Canon EOS R6 Mark II
レンズ:Canon RF70-200mm F2.8L IS USM
設定: f/ 3.2 1/320秒 ISO 1000 WB:日陰
補正:Lightroom Classic にてシャドウ、露光量を調整
評価
ルーク・オザワ
綺麗な夕焼けと富士山のシルエット、そして南風運用でこのタイミングのB滑走路(RWY22)からの低い離陸。まさにこんな絵を僕も撮ってみたいと思うシーンです。富士山の上の雲の表情もいいですね。この冬の時期の南風は珍しいので貴重な写真。色味もいいですね。
チャーリィ古庄賞 1名
カメラ:NIKON D850
レンズ:TAMRON SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD
設定:f/2.8 1/250秒 ISO 18000 WB:昼光
補正:Lightroomにて彩度、コントラスト、明度、トーンカーブ等調整
評価
チャーリィ古庄
多摩川土手のこの場所、私も何度もトライしていますが、ボーイング787クラスの機体で国際線でないと離陸してこの低さにならないので難しいです。また南風運用で冬の暗い時間というなかなか撮れないタイミングをモノにしている点が評価できます。
ターミナル賞 2名
カメラ:SONY α7C ILCE-7C
レンズ:SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS
設定:f/8 1/320秒 ISO 100 WB:オート
補正:Lightroom Classicで明るさ補正
評価
ルーク・オザワ
通称、“羽田T2I”=第2ターミナルの南側にある国際線の一枚。この場所はほんとに絵を作りやすい、と僕も思います。そんななかでこの場所の応募もたくさんありましたが、この一枚が目を引いたのはヒコーキを背景にして手前のこどもが走っている瞬間の影も効いている。動きがあるなかでもピタリと止めている。そんな羽田の一景ですね。背景の空と白い雲も効いています。
チャーリィ古庄
この場所で撮影された類似カットの応募がいくつもありましたが、機体の位置、露出、子供の動きと床の反射、空の表情などを検討した結果このカットをセレクトさせていただきました。視程が良い日で幕張まで見渡せ、タイトルも写真に適したものです。左右の柱のシンメトリーな構図も写真のポイントとなっています。
カメラ:Canon EOS Kiss X5
レンズ:Canon EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS
設定:f/3.5 1/40秒 ISO 3200 WB:オート
補正:Photoshop Expressにてフレア及びノイズを除去
評価
ルーク・オザワ
普通、海外に行く時にはすんなりと機内に乗ってしまいがちですが、乗る手前で窓越しにこのシーンを見つけたのは素晴らしいです。機体が111番スポットに止まっていることで、展望デッキの看板のライトも何気なく入っています。色味も温かみがあって、これから出発するという雰囲気がでている一枚です。
チャーリィ古庄
知らない人が見ると何てことないスナップ写真に見えますが第3ターミナル111番スポットでないと建物上の空港名が入らないのと、搭乗橋で乗るタイミングにガラス越しでしっかり撮影する勇気、ターミナルの灯りを出す露出設定、反射をおさえる技術、瞬時にいろいろな事を考えなければならないため、トータルで考えて素晴らしい作品です。
アーカイブ賞 1名
カメラ:コニカFTA
使用フィルム:フジフイルム
評価
ルーク・オザワ
いや懐かしいですね。僕もこの時代に羽田空港に通っていました。トライスターが2機並び、そのエンジンとエンジンの間にちらっと見える東京タワー。そして何よりもリムジンバスが昭和のイメージを醸し出している。この写真、僕もこの時代に撮ってみたかったなと思う一枚です。
チャーリィ古庄
旧ターミナル時代の20番代のスポットでしょうか、モヒカンのL1011の2機並び、リムジンバスもきちんと整列していて美しいシーンです。背景に東京タワーも見え、今よりも高い建物がない都心、時代を感じさせる一枚です。私もこのころのL1011に搭乗した思い出がありますが、L1011の並びはあまり見たことがなく貴重だと思います。
ジュニア賞 1名
カメラ:EOS 6D Mark II
レンズ:Canon EF24-105mm F4L IS USM
設定:f/5.6 1/125秒 ISO 500 WB:オート
補正:DxO PhotoLab 6にてコントラスト、シャドウを調整
評価
ルーク・オザワ
昼間の新宿の新都心アプローチ。鏡のように写り込んでいる空にピタリと白い機体が入っているのはインパクトが強かったです。快晴の東京の空は少ないなか、素晴らしい立ち位置を見つけたと思います。機体も下が真っ白なのでそれも効いています。
チャーリィ古庄
場所選びもそうですが、レンズ選択とフレーミングが素晴らしいです。機体が小さいのでまとめるのに苦労しますし、ガラスの反射と機体の位置、空の青さ、お見事です。柔軟なアイデア、通行人からの視線に耐える力も評価できます。
総評
ルーク・オザワ
今年も多数の応募ありがとうございました。日本国内最大のトラフィックを誇る羽田空港には4本の滑走路に3つのターミナルがあります。その3つのターミナルには全て展望デッキがあり、さらには周辺の公園をはじめ無数の撮影ポイントがあります。これに季節、風向き、時間帯によってさまざまな絵作りができ、撮影者はどこに立ち位置を取るかがポイントとなります。今回選ばれた作品は美しい光を読み唯一無二の作品です。僕も長年、羽田空港で撮影をしていますが見たこと無いような絵作りに奥の深さを感じ、審査をしていてとても勉強になりました。またアーカイブの応募作品も多数あり、当時を想い出すようなシーンもあり懐かしかったです。
チャーリィ古庄
今年も1000枚以上の応募があり、本格的なコロナ明けで国際線も戻り賑やかになった羽田空港。今年も多くの作品を見せていただきましたが暖冬のせいか、冬の南風運用の作品も多かったです。また第2ターミナルの新しい国際線の写真もあり、応募作品から羽田空港の発展を感じることもできました。今年は若い世代の写真の技術の高さに驚きました。近年飛行機写真を撮る人の人口は増えていますが、大人顔負けの機材で、設定や画像処理までレベルが高く、若い方にも公共交通機関が充実している羽田空港にどんどん通っていただき、素晴らしい作品を狙っていただきたいと思います。私もニューヨーク線に投入されたJALのエアバスA350-1000を狙いに行っていますので、羽田空港の魅力をこれまで以上に捉えていくつもりです。