フォトコンテスト 過去の受賞作品
第2回(2021年)
《写真のテーマ》
羽田空港の魅力的な風景
羽田空港公式フォトコンテスト2021にたくさんのご応募、ありがとうございました!
みなさまが撮影された羽田空港の美景の数々を通して、その魅力を多くの方々と共有させていただければと思います。
今回も数多くの作品をご応募いただき、特別に「スマホ賞」を2名追加で入賞とさせていただきました。
最優秀賞 1名
撮影時期:2020年10月
カメラ:Canon EOS 5D Mark IV
レンズ:SIGMA 150-600Sprts
設定:ISO 100 1/4000秒、f/9 WB:オート
補正:LrCCにてトリミング
評価
ルーク・オザワ
これは参りました。と思わず声にしてしまうほどの作品ですね。羽田で狙えるヒコーキと背景でまず誰もが狙うのが富士山です。その富士山と手前にゲートブリッジ、さらには夕日までも取り入れてしまうとは恐れ入りました。コメントに緻密な計算ゆえの作品とありますが、このタイミングでヒコーキが来る保証はありません。そんな中の南風時に午後3時から運用される新ルートのアプローチ機を見事に捉えましたね。お見事です。
チャーリィ古庄
新鮮な絵、「これどこから撮っているの?」と目をみはる作品です。航空写真のセオリー的には「機体の進む方をあけてください」と言いたいですが、それを無視しても良いくらいのタイミングと機体の位置、ゲートブリッジと富士山、夕陽が完璧すぎて息をのむほどです。作者の計算された立ち位置、陽の落ちる位置、それに減便中にもかかわらず南風運用でB767クラスの機体が夕陽に飛び込んだことにより、我々審査員はおどろきました。もちろん露出が適正であるのは言うまでもありません。
優秀賞 2名
撮影時期:2020年9月9日
カメラ:Canon EOS 6D MarkⅡ
レンズ:Canon EF24-70mm 2.8L USM
設定:ISO 100 25秒、f/5.6 WB:オート、ND8フィルター
補正:Lr2現像、明るさ、ハイライト、サイズ調整
評価
ルーク・オザワ
これまた凄い作品ですね。雷神とはまさにこの光と言わんばかりです。撮影日の9月9日を手帳で調べたところ前日の8日は僕も羽田で撮影していました。こんな状況に僕も出合ってみたいです。縦位置で表現したのも稲光が強調されて好いですね。色目も青い空にネオンの赤で締まっています。この夜の空港上空は晴れていたとあります。ご覧になった方、真似する前に危険を察知してくださいね。
チャーリィ古庄
タイミング、フレーミング、稲妻の力強さを含めて「よくコレが撮れたな」と感心せざるを得ない作品です。タイミングもそうですが、撮影データを見ると、NDフィルターを使用し長秒露光することにより、雷雲を予想とありますが、露出の設定は極めて難しく、「このあたりに稲妻が光れば良いな」と念じてシャッターボタンを押し続け、この一枚の裏には多数のボツ写真があったと推定されます。この状況だと空港の運用はストップしますが、大自然と羽田空港を感じる一枚に仕上がっています。
撮影時期:2021年1月1日
カメラ:Nikon D4S
レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8
設定:ISO 320 1/800秒、f/8 WB:オート
補正:Nikon Capture NX2
評価
ルーク・オザワ
羽田空港を良く知るベテランの作品ですね。多摩川の向こうから狙うところが憎いです。西日がビルを輝かせ東の空にはビーナスベルトを表現するために引きの構図。その合間に旧タワーを入れるところは素晴らしい。ランウェイ34Rからの離陸はビルの向こうからいきなりどこに来るか判らないのに現れた機体に対して絶妙のシャッタータイミング。偶然のモノレールもまた良しですね。今度行ってみようかな。
チャーリィ古庄
殿町の河川敷は私もときどき行きますが、これはスーパーチャンスですね!第3ターミナルが夕陽に輝き、向こう側にはB777-300の離陸機、これが機体サイズが小さいB737クラスだと、ちょっとバランスが悪くなってしまいますが、これなら完璧です。それだけでも素晴らしいのに、モノレールまでベストな位置に入るという絶妙なタイミング。一発で撮れたのか、何日か狙ったのか?どんな苦労があったのか、いろいろ作者に聞いてみたくなる一枚です。
ターミナル賞 2名
撮影時期:2020年12月
カメラ:Canon EOS R5
レンズ:Canon RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
設定:ISO 800 1/640秒、f/7.1 WB:オート
補正:Digital Photo Professional4にてトリミング、モノクロ
評価
ルーク・オザワ
まるで映画のワンシーンのようなショット。まさにターミナル賞にふさわしい作品です。ゲートで出番を待つ機体。これから乗務するのでしょうか、シルエットのパイロットが効いていますね。また旅に出たくなるような、空港に行きたくなるような作品です。さらにモノトーン調が作品レベルを上げています。
チャーリィ古庄
いい眼を持っています。写真の経験がかなりあり、現場でこの絵作りができる方です。絵作りと共にモノクロに仕上げたのもポイントです。色がないことにより、見る人がその場の雰囲気や空気感を自分で考えることにより、さらに写真に引き込まれます。手前の案内表示がやや見える絶妙な露出、左下のボケによる遠近感。お見事です。
撮影時期:2019年6月
カメラ:SONY α7Ⅱ
レンズ:SONY FE24-240mm F3.5-6.3
設定:ISO 400 1/8秒、f/5.6
補正:Lightroomによる色抽出(赤色)、コントラスト補正
評価
ルーク・オザワ
これは色使いが抜群です。七夕飾りの赤と黒。それに対して旅行鞄も赤と黒。さらに通り過ぎる人の服が白と黒。この白は飾り上部の白と一致。偶然なのでしょうがすべてが計算されているような作品です。縦位置構図も七夕飾りにインパクトを与えています。そして通り過ぎる人のぶれにより「動」を感じる作品です。
チャーリィ古庄
日本のターミナルらしさが表現されています。スローシャッターを用いて人がブレるようにして背景と対比して動静を表現、さらには画像処理で赤を鮮やかにすることにより、目をひく作品になりました。また左下に人を配置した位置も見事で安定の構図になっています。ヒコーキ写真というより、スナップ写真のご経験がある方とお見受けしました。
特別賞 5名
撮影時期:2020年7月
カメラ:SONY α 7R Ⅲ
レンズ:SONY FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
設定:ISO 800 1/4000秒、f/8 WB:オート
評価
ルーク・オザワ
第1ターミナル展望デッキのガリバーデッキからは基本はA滑走路に向けて撮影をしますが、第2ターミナル側を狙いましたね。離陸機がリニューアルしたターミナル屋根の上のどこから出て来るか判らないタイミングで捉えるのは至難の業。白と青のコントラストが好いですね。
チャーリィ古庄
新しい第2ターミナルの拡張部分、特徴ある丸みを帯びた屋根の形を出そうとされたのか、プリントの色が少々アンダーになっていましたが、新しい国際線の展開をイメージさせる作品に仕上がっています。
撮影時期:2020年7月
カメラ:Canon EOS 5D Mark IV
レンズ:SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM
設定:ISO 400 1/1600秒 f/10 WB:オート
補正:Digital Photo Professional4.0にて、ピクチャースタイル、ホワイトバランス、コントラスト、シャドウ、ハイライト、色の濃さを調整
評価
ルーク・オザワ
昨年の夏の羽田の空は劇的な日が多かったですね。そして新たなランウェイ22上がりと新たなポイントの羽田イノベーションシティで絵作りも楽しくなりました。豪雨の後の虹と離陸機を引きでバランス良く構成されていますね。
チャーリィ古庄
羽田イノベーションシティからの画、雲、虹、空の色の違い、離陸機は少々早く上がっていますが、ターミナルを入れて対角線構図で羽田らしさを表現しています。素晴らしいチャンスをものにした一枚だと思います。
撮影時期:2020年8月
カメラ:SONY ILCE-9
レンズ:SONY SEL200600G+SEL14TC
設定:ISO 1600 1/800秒 WB:オート
補正:lightroom
評価
ルーク・オザワ
ランウェイ22の上がりはとても新鮮ですね。ただどこでリフトアップするかは毎回の楽しみですね。A320という事で背景の街並みとバランスがピタリです。そしてお寺が入ったことで日本らしさを感じました。
チャーリィ古庄
新しく設定されたB滑走路22の離陸、わりと視程が良い日のようで背景に池上本門寺と五重塔、そして蒲田方面のマンションという新鮮な絵です。また本人コメントとして「滑走路も機体番号も22」というのもおもしろいですね。
撮影時期:2020年12月
カメラ:Canon EOS 6D Mark Ⅱ
レンズ:SIGMA 70-200mm F2.8 OG OS HSM
設定:ISO 10000 1/40秒、f/2.8 WB:2800k
補正:DXO PhotoLab4で現像時に明るさ、マイクロコントラスト、色合い、アンシャープマスク調整、ノイズ除去
評価
ルーク・オザワ
奇麗な夜景ショットですね。113番スポットに入るエアフランス機がとてもお洒落に表現されています。背景の東京の夜景も気持ちいいほどクリアで素敵です。日ごとに違う機体がゲートに来るので通うのもまた面白いと思います。
チャーリィ古庄
素直にキレイですね~と言葉が出てしまう作品です。冬のクリアな東京の夜景と第3ターミナル、さらには最新のエールフランスB787型機。夜の到着、スローシャッターでブレないギリギリの数値。感度をなるべく下げてノイズを気にする作者の経験を感じます。
撮影時期:2020年8月
カメラ:Canon EOS R6
レンズ:Canon RF24-240mm
設定:ISO 800 1/2000秒、f/16 WB:太陽光
補正:DPP
評価
ルーク・オザワ
羽田とは思えないどこか地方の空港のような表現の仕方に脱帽です。撮影地城南島で16アプローチを捉え、波打つ海に西日の輝きがとても効いていますね。機体の位置も良く西日を画面に入れて無いのも流石です。
チャーリィ古庄
露出をアンダーに設定し海のキラキラ、機体のシルエットを表現。さらには完全逆光なので高倍率ズームを使用しているため、写真右上にゴーストが出ていますが、それが逆に味になり、水しぶきがかかったような臨場感ある作品になっています。
アーカイブ賞 2名
撮影時期:昭和40年10月頃
カメラ:NikonF
レンズ:NikonF 50/F2.0
使用フイルム:ネオパンSS
評価
ルーク・オザワ
貴重なショットをありがとうございます。僕が羽田に通い始めたのがこの8年後ですので、すでにコンベア880はいなかったと思います。タラップや背景の建物も昭和の時代を感じますね。また是非違うショットも拝見したいです。
チャーリィ古庄
すごい作品が届きました。今から約50年前の羽田空港。私は小学生のころに、西側のデッキで日本近距離航空のYS11を撮影した記憶がありますが、それよりかなり前、しかも短命だった日本航空のコンベア880型機です。後ろの格納庫や建物、B滑走路(移転前)、後部ドアのタラップなど、アーカイブ賞にふさわしい当時の様子を今に伝える貴重な写真です。
撮影時期:1989年12月
カメラ:NikonF
レンズ:NIKKOR 80-200mm
設定:ISO 400 1/500秒、f/8
使用フィルター:KENKO SKYLIGHT IB
評価
ルーク・オザワ
1989年撮影とあります。僕も迷路のような羽田展望デッキをカメラ片手にウロウロしていた時代です。当時は今のデジタルと違って枚数制限ありのフィルムですから1枚1枚を丁寧に撮らなければでした。そんな中、2社がバランスよく決まっていますね。
チャーリィ古庄
旧ターミナルの迷路のような展望デッキから撮影したと思われる作品。JASのエアバスA300とロッキードL1011の並びという、今や貴重な夢の競演です。撮影年を見ると、私もこのころ羽田でよく撮影をしていたので、懐かしい気持ちになります。今と違ってヒコーキ写真を撮る人が少ない時代、当時は何気ない一枚も今や貴重な記録の一枚となりました。
ルーク・オザワ賞 1名
撮影時期:2020年8月
カメラ:PENTAX K3-Ⅱ
レンズ:PENTAX DA-16-85mm
設定:ISO 200 1/500秒、f/8 WB:オート
補正:Adobe lightroom Classicにて明るさ、コントラスト、色相、輝度、彩度、WBなどを調整
評価
ルーク・オザワ
この日は僕も自宅で作業中にちょっと外に出たらこの雲を発見。あーーー羽田に行っていればと思っても後の祭り。でもこうやってヒコーキ絡めてこの雲の巨大さを表現してくれたことに感謝です。まあ僕も撮りたかったけど(笑)
チャーリィ古庄賞 1名
撮影時期:2017年12月
カメラ:Nikon D7200
レンズ:TAMRON 70-300 F4-5.6
設定:ISO 200 1/1000秒、f/7.1 WB:オート
補正:Lightroomにて色合い・明るさ補正
評価
チャーリィ古庄
船かと思いきやカヤックでの撮影。しかも羽田空港で定期便最小のエムブラエル機と近い距離。カヤックの先端を入れフレーミングもバッチリ。転覆するか、カメラがビショビショになるか、私にはまねできません。アイデアと根性と新鮮さ、素晴らしいです。
空美賞 1名
撮影時期:2020年12月
カメラ:Canon EOS 7D MarkⅡ
レンズ:Canon EF100-400mm f/4.5-5.6L IS Ⅱ USM
設定:ISO 250 1/800秒、f/10 WB:オート
補正:Digital Photo Professional4にて、コントラスト、ハイライト、シャープネス、トリミングを調整。
評価
ルーク・オザワ
ここ数年、季節を問わず東京の空が激変していると思います。この作品もまた背景は暗雲によって暗く落ちているところに南国のようなギラリとした西日が。この状況はカメラ任せでは露出オーバーかと、でもきちっと捉えていることが素晴らしいです。
チャーリィ古庄
黒い背景の雲にターミナルに強い光のコントラスト。そこに白いJAL機。コントラストを上げて明暗をしっかりと出した表現は脱帽ものです。管制塔を左に入れて機体を右下という安定感のある構図もバッチリですね。
ジュニア賞 1名
撮影時期:2020年11月
カメラ:Nikon D7500
レンズ:SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
設定:ISO 100 1/1000秒、f/5.6 WB:オート
補正:Lightroomにて露光調整、トリミング
評価
ルーク・オザワ
作品の立ち位置は羽田イノベーションシティの足湯スカイデッキ。そこにランウェイ16Rと16Lの同時アプローチ。行けば撮れそうだがコロナ禍での減便の状況で同会社が奇麗にシンクロするのは至難の業。良くぞ逃さず捉えた作品です。
チャーリィ古庄
高校生とは思えない作品。使用レンズの焦点距離が足らずトリミングしているのはジュニア賞ならではですが、構図は完成されています。作品名の「兄弟」というところも2機のボーイング機をとらえた適格な表現で若さを感じました。
スマホ賞 3名
撮影時期:2020年10月
カメラ:iPhone XS
補正:Photoshop
評価
ルーク・オザワ
発想が素晴らしい。行き交う旅人と館内にいるのにカプチーノの中にヒコーキがいる。作者はどのタイミングで飲むのだろうか?しばらく妄想にふけっているのだろうか。だが冷めてしまうのではと心配してしまう作品だ。
チャーリィ古庄
スマホ賞らしい、こういう一ひねりする作品を待っていました!写真をコーヒーアートにできる「BEER CAFÉ+」でしょうか、背景にチェックインカウンターを入れたのもポイントで、アイデアと共に絵作りに無駄がありません。
撮影時期:2020年7月
カメラiPhone XR
レンズ:iPhone XR
設定:オート
補正:iPhone写真編集(露出・コントラスト・ハイライト・明るさetc)
評価
ルーク・オザワ
近年のスマホの絵には驚かされる。手前の機体と虹の露出は明らかに違うが上手く表現され、また雨上がりの地面も表現されている。僕もスマホを使うがカメラは苦手。時折撮影すると指が入ることも。。。
チャーリィ古庄
見つけた虹を気軽に撮影した雰囲気に好感がもてました。「止まない雨はない」という作品名と共に航空業界は大変な日々ですが、止まない雨はないというコメントにも心を動かされました。ご応募ありがとうございました。
撮影時期:2020年10月
カメラ:iPhone 11
設定:オート
評価
ルーク・オザワ
これはスマホならではの表現力だろう。一眼レフ機ではおそらくこの移動しながら現れた瞬間に露出設定が間に合わずどちらかがボケてしまうと思う。JAL A350の赤いウイングレットが効いているショットだ。
チャーリィ古庄
作品名がおもしろいですね。視点を変えればそう見える。スマホ賞らしいタイトルだと思います。またエアバスA350だからこその赤いウイングレット。尾翼と共に仲間に入れたくなる気持ちが伝わる作品です。
総評
ルーク・オザワ
2回目を迎えた羽田空港フォトコンテストにまずはたくさんの応募ありがとうございました。昨年はコロナ禍での外出規制、減便、機材のダウンサイズ化また展望デッキのクローズやオープン時間短縮の中、応募は少ないかと懸念してましたがハイクオリティの作品の数々に審査中も嬉しいと同時に僕も勉強させていだきました。また新飛行ルートの新鮮な絵作りが出来、僕もかつてないほど羽田で撮影の時間を取りました。これからも良い作品を期待しています。そして1日も早くいつもの羽田に戻ることを願って止みません。ありがとうございました。
チャーリィ古庄
コロナ禍での減便、緊急事態宣言など思うように撮影に行けなかったこの一年、応募作品が集まるだろうか多少の不安はあったものの、このコンテストの認知度が上がったからか昨年よりレベルアップした作品が集まり、特に新しい飛行ルートのフレッシュな絵が多く集まった。アーカイブ賞は「おおっ!」と声が出てしまうほどの作品も集まり、昔の展望デッキの懐かしい思い出がよみがえり、羽田空港の歴史を感じることができたことにも感謝したい。全ての作品において言えるのは、今はカメラが良いので手軽に撮れてしまう、しかしアイデアや計算、チャンスをとらえた作品が入賞する。この作品を見て、私自身も羽田の新たな場所で撮影をしてみようと気持ちを奮いたたされた。
初公開!審査会の様子を動画で公開中。
撮影アドバイスの対談もお見逃しなく