フォトコンテスト 過去の受賞作品
第1回(2020年)
《写真のテーマ》
羽田空港の魅力的な風景
羽田空港初の本格的なフォトコンテストに、たくさんのご応募、ありがとうございました!
みなさまが撮影された富士山や東京の街並みなどの羽田空港の美景の数々。
写真を通じて、その魅力を多くのみなさまと共有させていただければと思います。
今回は、初回にもかかわらず、数多くの作品をご応募いただき、特別に「特別賞」を2名追加で入賞とさせていただきました。
最優秀賞 1名
撮影時期:2019年1月
カメラ:NIKON D850
レンズ:TAMRON SP150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2
設定:ISO 1000 1/500秒、f/5.6 WB:晴天、フィルターなし
補正:Capture NX-Dにてレタッチ。コントラスト、明度、トーンカーブ等調整
評価
ルーク・オザワ
羽田空港の冬を象徴する富士山と第3ターミナル(旧 国際線ターミナル)の風景。今回たくさんの応募があった中で、唯一、朝日が昇って山頂だけを照らすシーンがこの作品だけでした。尚且つ、この絶妙なタイミングにヒコーキがプッシュバックしている。これが良かったですね。駐機していたのであれば、展望デッキから普通に撮れるカットですが、このタイミングはなかなかないと思い、数ある作品の中からこの作品を選ばせていただきました。
チャーリィ古庄
空のグラデーションが非常に綺麗なのと、毎年同じ冬でも時期により富士山の雪の積もり方などが違う時があったり、工事のクレーンが入ってしまったりと、なかなかタイミングが難しい時がありますが、この作品は良いタイミングで撮れていると思います。一つアドバイスをさせていただくと、コントラストを上げてパリッとした絵になっていますが、影の部分が少し暗いのでシャドウをわずかに上げていただくと、さらに美しい仕上がりになったと思います。
優秀賞 2名
撮影時期:2016年11月
カメラ:NIKON D3
レンズ:ニコール10.5mm F2.8
設定:ISO 200 1/500秒、f/7.1 WB:オート
補正:NikonCapture NX2にて現像。フォトショップでサイズ加工
評価
ルーク・オザワ
牧野さんはレンズの特性をよく熟知されている。僕もこの24時間開いている第3ターミナル(旧 国際線ターミナル)の展望デッキによく行きますが、こういうシーンを対角魚眼レンズによって撮ろうという発想はなかった。この手のレンズはヒコーキも歪んでしまいがちですが、この作品は機体は普通に写っていて、手前の屋根の部分だけに湾曲をつけつつも、しっかり四隅もおさえている。そして奥から昇る朝日がいいタイミングで屋根に輝く、羽田なんだけれども羽田らしくないそんなシーンです。
チャーリィ古庄
羽田空港の朝の撮影はなかなか難しいのですが、対角魚眼レンズをうまく使われています。色のトーンもシャドウが出ていて、空の上のグラデーションも綺麗に出ているので、しっかりと画像処理もされています。またワイドに映るレンズが故に、周囲の物が映りやすいのにもかかわらず、その雰囲気さえも感じさせない、素晴らしい作品です。
撮影時期:2013年1月
カメラ:オリンパス E-M5
レンズ:オリンパス M.75-300m F4.8-6.7
設定:ISO 200 1/4000秒、f/5.3 WB:オート
補正:LightroomでRAW現像時に明るさ・色合い補正
評価
ルーク・オザワ
普段、ヒコーキを撮る人だったら、まずこの場所では撮影をしないだろうという場所です。ヒコーキがシルエットで右から左に移動してきているのですが、この機体が太陽の中に入るのを、あえて撮らずに鳥居を手前に入れてピンを合わせ、ヒコーキにはピンは合わせていない、そこが素晴らしいと思います。次のヒコーキが降りてくる時には、すでに太陽が上がってしまうので、これはワンチャンスの一枚です。
チャーリィ古庄
僕も天空橋駅で降りて朝、川べりから着陸機を狙ったことがありますが、この絵は思いつきませんでした。このシンメトリーの構図に、ちょうど機体が降りてくるというのは、ナイスアイデア。そして、季節によって太陽はずれていくので、奇跡的な1枚だと思います。房総半島側に昇る朝日は雲が多く難しいシーンなので、かなりこの場所に通わないと撮れないと思います。数ある写真の中でもこれは入賞するだろうと確信した1枚です。
特別賞 5名
撮影時期:2020年1月
カメラ:Canon EOS R
レンズ:Canon EF600F4L ISⅡ USM
設定:ISO 6400 1/400秒、f/4.5 WB:オート
補正:Photoshopにてトーン調整、Dfineにてノイズ処理
評価
ルーク・オザワ
僕も同じ場所から撮影した作品を発表したことがあるのですが、冬場でなければ撮れないシーン。この作品はよくよく見ると機体は今話題のJAL A350。朝日が昇り、ビルに光が当たり始めつつも、東京タワーの照明が残ってる素晴らしい作品です。
チャーリィ古庄
僕もこのシーンは撮ったことがありますが、超望遠レンズを使わなくてはいけないことと、とにかく風が強くてめちゃくちゃ寒い場所。そして、ぽつんと1人で強風と戦う過酷な環境。その撮影の辛さが伝わってくる1枚です。
撮影時期:2019年12月
カメラ:Canon EOS 7D MARKⅡ
レンズ:Canon EF100-400 Ⅱ
設定:ISO 100 1/1600秒、f/8.0 WB:オート
補正:LightroomでRAW現像
評価
ルーク・オザワ
これはすごく気持ちいい写真で、なかなか羽田でこれだけの青空と積乱雲が見れるのは一年の中でも数日だと思います。そんな風景にB737が上がり、ギアもすべて格納されている。左の管制塔と積乱雲のバランスも良く、絶妙なシーンを捉えています。
チャーリィ古庄
管制塔の明るさと影の部分がしっかり出ていて雲も引き立っています。羽田で季節感のある写真を撮るのは難しいのですが、青が抜けていて、機体の位置も申し分なく、雲の階調もうまく表現されていて評価の高い作品です。
撮影時期:2019年2月
カメラ:Canon EOS 6D
レンズ:SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM
設定:絞り優先モード ISO感度 1000 絞り値f5.6
評価
ルーク・オザワ
東京スカイツリー®とヒコーキは羽田空港の定番の風景ですが、夕方の時間帯の撮れそうで撮れないシーンがこの画角に収まっています。離陸するヒコーキはいつもここを通るわけではないので、粘ったからこそ撮れたシーンだと思います。
チャーリィ古庄
東京スカイツリー®とヒコーキの撮影は撮影場所が重要で、手前に照明灯も入り易い環境にも関わらず、無駄の無い収まりだと思います。B777の機体の大きさとサイドライトのあたり方という点でも文句のつけどころがない作品です。
撮影時期:2019年5月
カメラ:Canon EOS 5D MARK IV
レンズ:Canon EF24-105mm F4L ISⅡ USM
設定:ISO 1250 1/1600秒、f/8 WB:オート PLフィルター使用
補正:Digital photo professional4にてトリミング、明るさ補正
評価
ルーク・オザワ
緑が綺麗な城南島のワンシーン。空の雰囲気も流れるような雲が一役買っていて、真っ青な青空ではなく、そこに降りてくるヒコーキが、絵葉書のような雰囲気を出していると思いました。
チャーリィ古庄
これからの羽田空港の国際線を象徴するような一枚。城南島での撮影は周囲に人が入りがちですが、デルタの機体とそのお腹のロゴもポイントでよい作品だと思いました。
撮影時期:2020年1月
カメラ:Canon EOS 70D
レンズ:Canon EF70-200mm
設定:ISO 400 1/250秒、f/6.3 WB:オート PLフィルター
補正:DPPにてモノクロに
評価
ルーク・オザワ
この「FLIGHT DECK TOKYO」の作品は何枚か応募があったのですが、渡邉さんのモノトーン作品が1番ドラマチックで映画のワンシーンのように目を引きました。カップルがヒコーキを見つめている物語風な作品に惹かれました。
チャーリィ古庄
全体の色のトーンとカップル、そしてガラスの「DECK」の文字の配置のバランスが良い作品だと思います。同じスポットの作品の中で特徴的な作品でした。
ターミナル賞 2名
撮影時期:2017年9月
カメラ:NIKON D500
レンズ:NIKON AF-S NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
設定:ISO 200 1/800秒、f/13 WB:オート、フィルターなし
補正:ライトルームクラシックでコントラスト・色調整
評価
ルーク・オザワ
非常に大胆な狙いで、この雲とこの青空だったら、この場所からではなく、普通は展望デッキで撮影をしていると思います。しかしこの作品はあえてこの場所を選び、ターミナルを入れ、恐らくこの離陸する機体のエンジン音も聞こえていない、無線機を聞いても、いつどこにあがるか分からない瞬間を捉えた素晴らしい作品だと思います。
チャーリィ古庄
あえて絞りをf/13で切っている点から、手前から奥までピントをしっかりと合わせたいという意図を感じます。ターミナルにあたる日光の反射もポイントで、この1枚を撮るためにどれぐらいの時間がかかり、すぐに消えてしまう入道雲とのバランスも考えると何枚のミスカットがあったのかと言うところまで想像させる写真です。
撮影時期:2019年5月
カメラ:Canon EOS 7D
レンズ:Canon EF600mm F4L IS USM
設定:ISO 400 1/500秒、f/5.6 WB:晴天 フィルター無し
補正:AdobePhotoshopElements5.7にて傾き補正、トリミング。ヒストグラム若干調整。
評価
ルーク・オザワ
羽田空港のロゴに、まだ灯りがついている時間帯に朝日が昇ってきた瞬間を捉えています。なかなかこういうシーンは“撮れそうで撮れない”。逆に“撮れそうで撮らない”。それを1枚に収めたことで、今回選ばせていただきました。朝日のこのグラデーションは、なかなか出現しないので難しく、素晴らしい作品です。
チャーリィ古庄
羽田空港で朝日を撮るのは、雲や陽炎が多く難しい環境の中で、冬ならともかく、5月に撮影をされているので、かなり早朝に撮影場所である第3ターミナル(旧 国際線ターミナル)の展望デッキに行ったことや超望遠レンズを使っているという苦労も想像させます。雲もなく、この黄色と赤が綺麗なグラデーションになっているのは、なかなか出合える風景ではありません。
歴史的瞬間賞 3名
撮影時期:2017年11月
カメラ:Canon EOS 7D MARKⅡ
レンズ:Canon EF100-400mm f4.5-5.6L IS Ⅱ USM
設定:ISO 400 1/1000秒、f/7.1 WB:太陽光
補正:SILKYPIX Developer Studio Pro9でRAW現像傾き補正
評価
ルーク・オザワ
この“ハミングバードディパーチャー(富士山をバックに撮影できる)”は、今や歴史的なシーンとなってしまいましたね。僕もこの瞬間を捉えるために第1ターミナル展望デッキによく通いました。条件は北風運用の朝、数便のみ。それを良いタイミングで捉え、エアボーン(離陸)した機体と富士山とターミナルの文字のバランスが素晴らしいと思います。
チャーリィ古庄
機体はすでに見ることができなくなってしまった、ANA B787のロゴ機。機体の重量によって、撮影場所である第1ターミナル展望デッキの左右どちら側から撮るか悩むシーンにもかかわらず、ターミナルの外観の文字もしっかりと写っており、富士山の雪の具合も完璧な一枚だと思います。
撮影時期:2008年1月
カメラ:NIKON D300
レンズ:NIKKOR AF-S 70-300G
設定:ISO400 1/160秒、f/10 WB:オート
補正:ライトルーム
評価
ルーク・オザワ
JALのジャンボ(アーク)と現在の第3ターミナル(旧 国際線ターミナル)がまだ建設されていない時代のカット。建設前は当たり前のようにこのような風景が撮れていましたが、時が経つことにより、こうして歴史的な記録として残っていくのだと思います。
チャーリィ古庄
僕も過去に何度も撮った風景ですが、今となっては思い出のカットとなり、第3ターミナル(旧 国際線ターミナル)建設前というのはもちろん、機体はJALのB747-400D。退役をしてしまったこの機体に歴史を感じます。今よりカメラの性能が良くない時代ですが、露出も構図も良い作品です。
撮影時期:2014年3月
カメラ:NIKON 1 J3
レンズ:1 NIKKOR VR 10-100mm
設定:1/4000秒、f/5.6
補正:トリミングのみ
評価
ルーク・オザワ
ANAのジャンボ(B747)のラストの日の風景。その日は僕も展望デッキにいました。あの時に、機体だけを撮りたいと思う気持ちを抑え、あえてファンを後ろから捉えたことで歴史的瞬間として記憶に残った作品です。
チャーリィ古庄
バランスがいい作品です。ちょうどANAのマークが出たところでB747の頭のところが人の頭にかかっていない、尚且つ、ビデオやスマホで撮っているファンの様子を見事に捉えていると思いました。
- 歴史的瞬間賞は撮影時期を問わず選考いたしました。
ルーク・オザワ賞 1名
撮影時期:2016年6月
カメラ:Canon EOS 7D MARKⅡ
レンズ:Canon EF300mm F2.8L
設定:ISO 5000 1/200秒、f/5.6 WB:オート
補正:無し
評価
ルーク・オザワ
満月とヒコーキといえば、全国的に皆さんが狙っているシーンだと思います。月とヒコーキを絡めることは難しいのですが、その中でやはり羽田空港には滑走路が4本もあり、チャンスは多い場所だと思います。今回数々の月の作品の中で、後ろから捉えたこの作品は、非常に新鮮でした。
チャーリィ古庄賞 1名
撮影時期:2018年8月
カメラ:Canon 7D MARKⅡ
レンズ:Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
設定:ISO 200 1/1600秒、f/8.0 WB:オート
補正:Canon DPP4にて現像。サイズ加工、色調整
評価
チャーリィ古庄
今の羽田空港を象徴するような1枚。なかなか撮りたくても撮れないシーンです。JAL、ソラシドエア、スターフライヤーの3機が同じ向きに揃い、奥には国際線のANAも駐機。国内線と国際線を網羅した羽田らしい華やかな風景です。夏の撮影で芝生は青く緑が映え、非常に気持ちの良い写真です。
空美賞 1名
撮影時期:2019年4月
カメラ:Canon EOS 5D MARK4
レンズ:TAMRON SP150-600mm G2
設定:ISO 160 SS=1/1250秒、f/6.3 WB:オート
補正:LightroomCC、PhotoshopExpress
(露出(-)コントラスト、ハイライト、彩度)
評価
ルーク・オザワ
写真的にメリハリは無いのだけれどもそのメリハリのなさが“切り絵”的ですごく印象的でした。機体もB747-8で離陸を引っ張った結果、機体をこの位置で捉えられたのだと思います。非常にバランスの良い作品だと思います。
チャーリィ古庄
左側のオレンジのトーンがやや残る感じなど、コントラストの表現が面白いと思いました。手前の海の雰囲気も黒潰れせずに表現できている点も評価できます。
ジュニア賞 1名
撮影時期:2020年1月
カメラ:Canon EOS 60D
レンズ:Canon 55-250mm
設定:ISO 100 1/400秒、f/7.1
補正:Lightroomにてハイライト調整
評価
ルーク・オザワ
冬場の午前中に日常的に見える富士山ショット。ちょうどJALのワンワールド塗装が2機プッシュバックをし、横に並んだタイミングが素晴らしいと思いました。狙いどころがいいと思います。
チャーリィ古庄
富士山とJALのワンワールド塗装が2機という良いタイミングで、バランスが取れていて、色も露出ともに問題なくきれいに撮れていると思います。もう少しひいて全体的に余裕ができるとさらに良かったと思います。
総評
ルーク・オザワ
今回、羽田空港で初めての本格的なフォトコンテストということで、想像以上にたくさんの応募をいただきました。僕もかれこれ40年近く羽田に通っていますが、撮影場所は展望デッキと周辺の島しかありません。とはいえ、1日約1300便の離着陸があり、春夏秋冬、朝昼晩~夜、そして3つのターミナル、色々なシーンに出会えます。今回もさまざまなクオリティの高い作品を見させていただく中で“あと1歩”とか、“ちょっと惜しい”というシーンもたくさんあったのですが、やはり自分でシャッターを切った瞬間の感動を覚えてください。そしてその感動は写真を通じて僕たち審査員にも伝わってくるので、そういった意味で、次回もみなさんの応募を期待しています。
チャーリィ古庄
ターミナルはもちろん川崎側や城南島のほか、機内や船から撮ったもの、「これはどこからとっているの?」と思わせる新鮮なカットもありました。いろんな角度から撮った作品はたくさんありましたが、花火のカットや歴史的瞬間の応募が少ないなど、偏りがありました。いつも羽田空港の展望デッキには、カメラを持ったたくさんの方たちを見かけますので、もっと素晴らしいカットを撮っている方がたくさんいらっしゃると思います。今年4月以降は新しいエアラインも就航しますので、次回1年後は、さらに私たち審査員をあっと言わせるような写真をお待ちしています。