フォトコンテスト 過去の受賞作品
第4回(2023年)
《写真のテーマ》
羽田空港の魅力的な風景
羽田空港公式フォトコンテスト2023にたくさんのご応募、ありがとうございました!
今回も幅広い層のお客さまから、1,000点を超える応募をいただきました。
皆さまから寄せられた素晴らしい作品の数々を通して、羽田空港の魅力を多くの方々と共有させていただければと思います。
最優秀賞 1名
カメラ:SONY α9Ⅱ
レンズ:SONY FE 24-70mm F2.8 GM
設定:f/2.8 1/3秒 ISO 100 WB:6500K
補正:Lightroomで露光量やコントラスト、ノイズを調整
評価
ルーク・オザワ
色目がまず綺麗ですね。そしてなによりこの絵をみつけた視点がすごい。通常、このシーンは忍者レフ等を使って中の反射を除去して撮るのですがそれを使わずにわざと室内を入れることによって、同時に外を表現しています。早朝を狙ったとのことですが、その点も良いですし、富士山も見えていて、エアバスA350の周りに支援車両が何もない、すっきりとしたシーンで捉えているのが美しいです。
チャーリィ古庄
反射する室内の天井の光が魅力的で、室内と外を上手に表現されています。この時間帯でないと中と外を程よい具合に写し出すのは不可能ですし、奥にはターミナルと雪をかぶった富士山の姿も見え、計算しつくされた構図となっています。私もこの場所はよく利用しますが、ガラスの外の機体ばかりが気になり、この目線では撮った事がありません。そういう意味でも勉強になった作品であります。
優秀賞 2名
カメラ:Canon EOS R6
レンズ:Canon EF 500mm F4L IS II USM +テレコン1.4 ×III
設定:f/6.3 1/1250秒 ISO 500 WB:くもり
補正:Lightroomにてトリミング、ハイライト、シャドウ、明るさを調整
評価
ルーク・オザワ
これはすごいです。この雨の状況でここによく撮りに行った。まずはそこを褒めたいです。羽田でなかなか雨の日にベイパーは出にくいなか、それが表現されている。そして背景が暗く落ちていているからこそ、際立っています。何といってもやはり今は、羽田で1便しか来ないであろうボーイング747をこのタイミングを狙って撮りに行ったところがすごい。「土砂降りの中で風邪をひいた」と応募シートに作者のコメントがありますがその勇気が僕にも欲しいです。
チャーリィ古庄
すごいシーンですね、作者コメントでさまざまな条件が重なりそのうえで4回目にようやく撮れた一枚。しかも雨に打たれたので風邪をひいた後日談まであり、そんな苦労が作品から伝わる迫力ある一枚です。超望遠レンズを使用し、駐車場から少し距離がある撮影ポイントで、雨をしのぐ場所もないばかりか、風があれば傘もさせないようなコンディションかもしれません。そんな背景と作者の計算とパッションが作品から伝わってきました。
カメラ:Canon EOS 70D
レンズ:Canon EF 70-200mm F4L
設定:f/4.5 1/5000秒 ISO 200 WB:オート
補正:Digital photo professional4
評価
ルーク・オザワ
これはとても新鮮です。羽田と聞かなければわからないのですが、東京ゲートブリッジを入れて撮ることで羽田ということがわかりますね。そして、この淡い色の感じがすごく良いです。手前の海の草木をいれることによって、この作品が引き締まっています。ヒコーキは遠く小さく、イメージ的な絵ですが、すごくインパクトのある作品だと思います。
チャーリィ古庄
飛行機だけではなく「写真作品」という視点でも素晴らしい一枚です。絵作り、色のトーン、そして画面構成。機体も大型機でないとこのシーンには飛行機が小さくなりすぎてバランスが悪くなってしまいますが、この機体ならベストでしょう。我々審査員から見ても新鮮な絵で驚きましたし、東京湾の暮らしと都市(東京ゲートブリッジ)そして羽田を飛び立つ飛行機という内容が凝縮されている点がお見事です。霞んだ海霧を利用した遠近感も感じられます。
特別賞 3名
カメラ:Canon EOS R3
レンズ:Canon RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
設定:f/6.3 1/1000秒 ISO 100 WB:オート
補正:DPPにて露出補正
評価
ルーク・オザワ
これは作戦勝ちとも言える作品。昨年開通したばかりの多摩川スカイブリッジのはじめての元旦。ここに初日の出を見に来る人がこんなにいることを予想した上で立ち位置を決めているのがさすがです。羽田を良く知っているからこそなのかと思いました。太陽が昇った後のこのタイミングにボーイング787がくることはなかなかあり得ないのですが、ピタリと捉えている点も素晴らしいです。
チャーリィ古庄
私のまわりでも初日の出を見に、撮りに多摩川スカイブリッジに行った方はおられましたが、それを羽田イノベーションシティから撮るとはナイスアイデアです。しかも機体が来た位置、露出も完璧。当日の空気感が伝わる一枚に仕上がっています。
カメラ:Canon EOS R6
レンズ:Canon RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
設定:f/11 1/1250秒 ISO 400 WB:オート フィルター:可動式ND(2~32)使用
補正:Capture One にて水平垂直とハイライト、明るさを調整、トリミング
評価
ルーク・オザワ
冬の羽田の日の出直後のシーンですね。その太陽の角度によって都心のビルの輝くところが変わっていくのですが、ベストなところで輝いているそのタイミングで、スターフライヤーのヒコーキが絡んでいます。冬は北風運用が中心の中、南風運用というなかなかないタイミングを展望デッキからよく捉えたシーンだと思います。
チャーリィ古庄
冬の朝の撮影ですが、滑走路は16Lに飛行機が乗っているので冬ではとても貴重な朝から南風運用の日です。そのタイミングで数分しか輝かないテレコムセンターに朝日が反射、照り返しが滑走路に降りそそぐ中でのテイクオフという好条件。参りました。
カメラ:Nikon Z9
レンズ:Tamron 150-600mm
設定:f/9 1/1000秒 ISO 250 WB:オート
補正:Lightroomでトリミング
評価
ルーク・オザワ
みなさん、船を借りて東京湾や多摩川から撮影している場面を見かけますが、そんな中でC滑走路から離陸するヒコーキを捉えた作品。富士山と管制塔とヒコーキ、望遠の圧縮効果によって捉えていますが、ベストな位置でエアボーン(離陸)したシーンをよくこの位置に船を止めて狙ったと思います。望遠の圧縮効果が良くでた作品だと思います。
チャーリィ古庄
船からの撮影ですね、圧縮効果で富士山が管制塔のすぐ後ろにあるように見える迫力カットが素晴らしいです。船をつける位置も見事なのと朝一番の撮影でないと機体前方が影になってしまうので、タイミングもベストですね。
ターミナル賞 2名
カメラ:Canon EOS RP
レンズ:Canon RF35mm F1.8 MACRO IS STM
設定:f/7.1 1/250秒 ISO 100 WB:くもり
補正:Lightroomにてカラートーン、コントラストを調整
評価
ルーク・オザワ
これは視点がおもしろい。ゲートから捉えているのですが、3機ともエアバスA350、そしてレタッチでモノトーン調に仕上げているのですが、でもJALのウィングレットと鶴丸の赤は残っているという印象的な作品です、切り取り方もうまいですね。
チャーリィ古庄
右手のJAL機のノーズが入っていないのが気になりますが、画像処理で色をコントロールし、緑色の芝とJALの赤色を際立たせたのがポイントです。3機共にエアバスA350というのも評価できます。素晴らしい視点をお持ちだと思います。露出もバッチリ、引いてガラスを額のように見せているのもお見事です。
カメラ:Canon EOS R6
レンズ:Canon EF8-15m F4L
設定:f/4.0 1/250秒 ISO 800 WB:3700K
補正:Lightroomにてシャドウ、彩度強調
評価
ルーク・オザワ
これはすごい写真ですね。人が周りにいないところに清掃員がひとりだけ写っている。演出しても、この写真はなかなか撮れない絵です。超広角によって捉えているのですが、光の使い方がうまい。センターと上の黄色、そして白とブルーの光に黄色のラインが効いていて、人物がぽつんと入っているのが印象的です。
チャーリィ古庄
文句なし、言うことなしの素晴らしい作品です。左右シンメトリーでガラスと照明で曲線を表現。お掃除している方を中央に置き、動きも感じられます。周囲に目立つ人もいない最高のコンディションで計算された絵作りに脱帽です。使用が難しい超広角レンズを巧みに操りホワイトバランスを下げ気味にして青い色を出し完成となった1枚だと思います。
アーカイブ賞 1名
カメラ:Canon AE-1
設定:ISO 100 使用フィルム:フジカラー F-Ⅱ
補正:ネガスキャン後、View Nx -iにてコントラスト調整。Capture NX-Dにてほこり除去
評価
ルーク・オザワ
1981年、カメラがキャノンAE‐1。ぼくも1980年にA-1を買って羽田の展望デッキで撮っていました。まさにこんなシーンは1973年から撮っているのですが、昭和を彷彿させる写真ですね。ヒコーキそのものよりも周りの支援車両、電源車、燃料車、そしてトーイングカー、タラップ、すべてにおいて、当時の雰囲気が出ている良い写真だと思います。
チャーリィ古庄
当時の様子がよみがえってきます。私はよくここで日本近距離航空のYS11を撮影していましたが、モヒカンB727は撮れませんでした。背景のレッド&グリーンのTDA機、格納庫。どれも懐かしいです。ネガフィルムをデジタル化したとのことですが、プリントもキレイですね。何気ない一枚が今となっては大変貴重だと思います。
ルーク・オザワ賞 1名
カメラ:Canon EOS-1D X MarkⅡ
レンズ:Canon EF300mm F2.8L IS II USM
設定:f/2.8 1/10秒 ISO 4000 WB:オート
補正:DxO PureRAW2 にてノイズ処理 Lightroomにて角度調整
評価
ルーク・オザワ
まさに羽田空港の流し撮りの100点満点の作品。前にも後ろにもピンがきていて、着陸時は簡単そうに見えて、実はパイロットがランディングしたあとにブレーキを踏むので動きがずれる中、そこにピタリと止めているところが素晴らしいです。そしてなにより雨の日。雨で逆噴射を巻き上げる水煙も表現できていて、色目もとても美しい。流し撮りのお手本といえる写真です。
チャーリィ古庄賞 1名
カメラ:Canon EOS R5
レンズ:Canon RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
設定:f/8 1/3200秒 ISO 250 WB:6300K C-PL
補正:Canon DPPにてコントラスト調整
評価
チャーリィ古庄
撮れそうで撮れない1枚です。冬のこの時間帯でないと海が光輝かないのとボディ下に照り返しが写りません。また視程も良く機体の位置、水平線を黄金分割の位置において安定した構図になっています。色味も完璧でしょう。
ジュニア賞 1名
カメラ:Nikon D90
レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5 - 6.3G ED VR
設定:f/7.1 1/500秒 IS0 200 WB:オート
補正:iPhone写真アプリで露出・彩度を補正
評価
ルーク・オザワ
羽田空港の冬の写真。昨年こんなに雪が降ったことがあったんですね。かつて雪のシーンは羽田空港ではなかなか無かったのですが、これはまるで雪国のような写真です。よくこんな状況の中、展望デッキで撮ったと思います。エールフランス航空の新ロゴでボーイング787。機体の青と赤がうまく表現できていて良いと思います。
チャーリィ古庄
機体がフレーミング一杯すぎるので、少し引いて空港の表情が出ていたらなお良かったですが、雪の日の羽田空港という写真はあまりチャンスがなく、展望デッキも閉鎖する場合も多いですが、そんな中見事なシーンを捉えています。
総評
ルーク・オザワ
今年は昨年の応募数を越える応募がありました。審査はチャーリィ古庄氏と4時間を越える中、今年の入賞者が決定。第1・2・3ターミナル、そして周辺からの作品は奥が深いことを今回も知らされました。日本国内で最大のトラフィック数を誇る羽田での絵作りの楽しさも共感できました。ヒコーキ写真は離陸、着陸、駐機とタキシングといった単純な動きではありますが、そこに一期一会の空や光また色を取り込むことによって無限性が生まれます。多くの作品にそれを伺うことが出来ました。日々羽田周辺も進化し新たな撮影ポイントも増えているのはとても嬉しいことです。僕自身羽田にカメラを持って行きだして今年で50年ですが今も行くたびに新たな発見があります。是非更なる絵を求めて羽田の絵作りを楽しんでください。沢山の応募ありがとうございました。
チャーリィ古庄
コロナ明けとでも言おうか、航空業界も徐々に活気が戻ってきた2023年。とても多くの作品が集まり、試行錯誤された作品と撮影時の苦労や熱い思いを応募作品から感じることができ楽しく審査させていただきました。多摩川スカイブリッジという新名所からの作品や多摩川スカイブリッジを入れた写真もご応募いただき新しい羽田空港のワンシーンを拝見させていただきました。やはり入選作品は「ドラマティックで撮影時の空気感が伝わる」写真が目に留まります。これからは第2ターミナル国際線の再オープンも期待でき、また新たな羽田空港の一枚が撮れるでしょう。私も毎週羽田に通って撮影していますが、皆さんと共に魅力ある一枚を狙いたいと思います。ご応募ありがとうございました。